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イリスの勝負服
「フェアリーの女の子が、成人式に着る物ですけど、イリス先生には地味ですか?」
アクアは、クローゼットのハンガーから、柔らかな素材の薄い緑のドレスを手にした。
「神殿に行くのなら、長いスカートのほうがいいし」
また、かぶれたら大変だ、イリスは腕をぼりぼりかいた。
「試着してみますか?サイズを見た方が」
ランダが言ったので、イリスはすぐに試着室に入った。
足首までの長さのふわっとしたスカート、手首まで覆われた、フリルたっぷりのブラウス。
胸元もフリルでおおわれて、花びらのようだ。
「なんか、イリス先生のイメージ、違いますね。かわいらしいお花のお姫様って感じです」
「サキュバスは、化けるのがうまいんだよ」
イリスは照れくささを隠すために、あえて乱暴な言葉を選んだ。
あいつの好みはたぶん、ロリ系が引っかかっているはず・・・・イリスはあたりをつけていた。
「成人式には髪とスカートに、緑のつるを下げるのですよ」
アクアがツタを手にして、イリスの髪に飾ってくれた。
「口紅はピンクですね。かわいさを出すなら、少し垂れ目気味のメイクがいいかも」
ランダは、手早く化粧パフをはたいた。
「これが、はちみつ酒です」
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