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「ぐぇぇーー、王族かぁ!」
アラゴンは驚きの声を上げ、その声は領主の館に響き渡った。
「すんげーやつ、釣り上げたんだな。驚いた!」
アクアは唇に指をあてて、開いている手でアラゴンの背中をポンと叩いた。
「お願いだから、大きな声を出さないで!!
年の差婚ですけど、イリス先生が押し倒したらしいです」
「うん、あいつなら、やるよな」
アラゴンは、変な所で感心している。
「イリス先生は専属契約って言っているけれど、王族は<婚姻>になるのでしょうね」
アラゴンは「へーっ」と感心したように
「魔族の<専属契約>と、フェアリーの<つがい>と、王族の<婚姻>と言い方は違うけど、中身はほぼ同じだよな」
アクアはうなずいた。
「ふたりで一緒に暮らすと言う点では、同じですね。
シオン様は還俗して、神殿で婚姻の儀式を近いうちに上げるようですよ」
それから、ウサギのぬいぐるみを手にして、クイクイと動かして娘をあやしはじめた。
赤ん坊はうれしそうに、手を伸ばしてウサギをつかもうとする。
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