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その後に、スーツケースを引きずる、ズルズル音。
シオンは神殿を抜けて、裏庭に出ると畑の先にある東屋に向かった。
ハーブ畑なのか、色々な種類の草花が植えてある。
「私は緑のフェアリーなので、植物を育てます」
シオンは説明するわけでもなく、畑を指さして言った。
「へーーー」
そう言えば、アクアは水のフェアリーだったかな・・
フェアリーにも、いろいろな属性があると言っていたっけ。
シオンは東屋のベンチに座り、
イリスにも座るように促した。
「まず、うちの商品を見てほしいのですけど!!」
イリスは大声で言うと、
スーツケースをガバッと開けて、中身をテーブルの上にぶちまけた。
色とりどりのランジェリー・・
ブラジャーやパンティ、キャミソール、ペチコート
それは、摘み取った花がらのように、積まれた。
「今度、高級品路線を考えています。素材にこだわった良いものをつくりたいと考えているのです」
シオンは表情を変えず、積まれたランジェリーを眺めている。
イリスは、これまでの交渉経験から戦略を立てていた。
まず、インパクトが大事。
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