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翌日、ナターシャは朝からドキドキして登校した。
(お昼にカフェで会ったら、少し時間をもらおう)
ホリーにも相談したかったが、今朝はまだ登校していなかった。
午前の授業が終わりチャイムが鳴る頃、ホリーがそっと教室に入って来た。
「ホリー! 今日は午後から出席なの? 体調は大丈夫?」
「ええ、ありがとうナターシャ。少し頭痛がしていたのよ。寝ていたら治ったわ」
「良かった。お昼はどうする? カフェテリア、行ける?」
「行くわ。朝は食欲なくて食べられなかったから、実はお腹が空いているのよ」
カフェテリアに行った二人はいつもの席に座った。時間が経つにつれ、ナターシャは落ち着かなくなってきた。
(どうしよう、ディーンが来たらまず立ち上がって……後で話がある、って言えばいいかしら)
その時、ディーンがこちらへ来るのが見えた。今日は友人と一緒ではないようだ。
(一人なんだわ。良かった、声を掛けやすいわ)
ディーンがどんどん近づいてくる。いつものように、『やあ、ナターシャ』って言われたら立ち上がろうと決めていたのだが……。
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