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(……私ったら何もわかってなかったんだわ。ホリーの気持ちも知らずに恋の相談したりして。私が一緒にいたからディーンもなかなかホリーに申し込めなかったのかもしれない。それなのにディーンが申し込んでくれたら、なんて甘い夢見て告白する気になって。ホントにバカだ、私)  泣きすぎて鼻水まで出てきてしまった。グスッ、と鼻をすすりあげていると、後ろでパキッと枝を踏む音が聞こえた。  ハッと振り返ると一人の男子生徒が立っていた。ボサボサの金髪で顔がハッキリ見えないが、制服のラインの色から二年生だとわかった。(ナターシャは三年生である) 「ごめんなさい。泣いてるから気になっちゃって」 「き、気になさらないで……グスッ……一人で泣きたかったからここまで来ただけなんです……」 「ここ、人が来ないから隠れるにはいいですよね。僕もよく来てたんだけど……初めて他の人に会いました」 「グスッ……私も滅多に来ないんだけど……グスッ、一年生の時にここを見つけてて。たまに、一人で来てたのよ……グスッ」 「大丈夫ですか? ハンカチ、僕のも貸しましょうか」 「いえ、本当に気になさらないで……グスッ、出来ればもう向こうへ行っていただいた方が嬉しいです……」 「あっ、ごめんなさい。そうですね……じゃあ、失礼します」  男子生徒は足早に去って行った。  
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