家族

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妻と出会ったのも水族館だった。 あの頃の僕はただひたすら仕事をこなし、休みの日には水族館に行ってぼんやりと過ごす日々。 死んだ魚の目をして。 何をするにも無気力だった。 そんな僕に声を掛けてくれたのが彼女だったんだ。 「大丈夫ですか?」 ぼんやりと海月たちが泳ぐ水槽を見ていた僕は、どうやら病人に見えたらしい。 海月の水槽に照らされているブルーのライトのせいもあったのだろう。
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