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あの頃の僕は
「風花、別れよう」
「え、、、?」
今でもあの日のことは覚えてる。
僕が彼女に「別れよう」って言った日。
この日は雨だった____
「なん、、で?」
「就職活動に専念したいから」
今思えば、理由もクソだったなって思う。
この時僕は、就職試験に連敗していた。
自分でも、何が悪いのか分からないそんな状況だった。
友達や大学の仲間は、次々と就職先を決めていく中、僕だけが取り残されているようで内心焦っていた。
そして、余裕がなかった。
それでも、彼女は優しく話しかけてくれて、励ましたりもしてくれた。
なのに
いつからかこの焦りは、八つ当たりへと変わっていった。
「そんなの、、、え?、、今までだって就職活動してたじゃん。別れる必要なんて、、、」
「違う!風花といると、自分のことが疎かになる。風花といると、自分のことが駄目になる」
僕は、彼女の言葉を遮ってこんな言葉を言っていた。
後から思った。
もっと言葉を選ぶべきだった。
もっと、もっと他にあったはずなのに。
この言葉がどれだけ彼女を傷つけたか、あの時の僕には分かりもしなかった。
ただの八つ当たりなのに。
こんな事、思ってすら無いのに。
あの頃の僕は本当に馬鹿だった。
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