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きっと、自分の中でどこか意地になっている所があったんだろう。
そして、彼の顔を見ていると大好きだった日々を思い出して、泣いてしまいそうで。
だから、素直になれなかった。
「え、、、教えてくれなきゃ会えないよ、、」
「っ、、、、」
彼は、これからも会おうとしてくれている。
これからも、彼に会えるかもしれない。
そう思うと目が熱くなって、ずっと我慢していた涙が溢れそうで、
だから、それを隠すように言ってしまった。
「春が、もう一緒にいたくないって言ったんでしょ。だったら、これを機にちゃんと別れようよ」
「!それは、、ちがっ、、、」
彼がなにか言い欠けていた。
でも、心にも思っていないことを言ったせいか、それとも心が我慢の限界だったのか、涙が溢れちゃって。
もう、どうしたらいいか分からなくなり、レースカーテンを閉めてしまった。
その数秒後、彼の「ごめんね」の一言と扉が閉まる音が静かな部屋に響いた。
その後、私は自分でも分からなくなるくらい泣いた。涙が止まらなかった。
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あの時、彼にどこに行くか教えていれば、もっと素直になっていれば、
「ごめんね」って言えていればこんな事にはならなかったのかな。
私はいつもそうだ。
肝心なときに素直になれない。
そして、後から涙を流し後悔する。
もし、あの時に戻れたらちゃんと言えるかな。
ちゃんと素直になれるかな。
それとも、また泣いちゃって言葉にもできないかな。
でも、1つでも言っていれば未来は変わっていたのかもしれないのに。
なんて、戻れないって分かっているのに今でも、"もし"や"たられば"を繰り返している。
そんな私は、もう嫌で大嫌いだ。
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