28人が本棚に入れています
本棚に追加
「、、、あのさ」
「ん?」
「新しい人付き合うと思う」
「、、、え?」
そう言うと夏帆は、ちょっとびっくりした顔をした。
まあ、そんな反応をされるだろうとは思っていた。
夏帆と会う時はいつも、彼のことや彼との思い出のことを話すことが多かった。
そして、話しながら泣くこともよくあった。
でも今日、私がいつもと違ってこんなことを言い出した。
だからだろう。
「あ、、えっと、、、春くんのことはもういいの?開き直ったの?」
夏帆が、よく状況を理解できていないような感じで聞いてきた。
「、、、もうよくないよ。忘れられないからだよ。忘れたくても忘れられないから」
「忘れるためにってこと?」
夏帆は何かを察したように、まっすぐ私を見てきた。
「うん。彼と比べ物にならないくらい素敵な恋をして、あの日々を忘れたい。
そんな理由で、、私ひどいよね」
自分でもわかってる。
彼を、彼とのあの日々を忘れるために新しい人出会うなんて、
こんな理由で誰かと付き合うなんて最低だって分かってるよ。
「ひどくないよ。ずっと悔やんでたもんね。ずっと苦しかったもんね。大丈夫だよ。きっと、新しい恋できるよ。風花なら」
「うん、、」
最初のコメントを投稿しよう!