人生は残酷で神様なんていない

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そんなことを考えていると、歩行者信号が青に変わり、 私の周りにいた人たちが、一斉に動き出す。 私もつられて歩き出す。 時計の短針が長針につられて進んでいくように。 彼は今、どこで何をしているのだろうか。 別に今日は、何か予定があるわけではない。 ただ、晴れていたから。 そんな理由だった。 いつだったか彼が言っていた。 「晴れてる日はいいことがあるんだよ」って。 それが本当かなんて分からないけど、今でも晴れている日は外に出たくなる。 なんとなく、歩いていると大きな公園が見えた。 葉っぱが半分以上落ちていて、紅葉がきれいとは言えないが静かな雰囲気でとても良かった。 でも、私の横を通るのはほとんどがカップルか、子連れの家族だった。 たまたま、横を通ったカップルが話していたのが聞こえてきた。 「結婚式いつにする」って。
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