意気地なし

1/2
27人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ

意気地なし

「でも、あれの知ってるから、だいぶ明るくなったように見えるよ?」 「そう?」 「うん」 「ねぇ、、、」 「ん?」 「、、、、」 彼女に会いたい。 彼女に会いたいけど、1つ思っていることがあった。 本当は、そんな事考えたくなかった。 今までは、そのことを考えることから逃げていた。 全然、今の状況からしてありえることなのに。 「どうした?」 「風花、、、今、どうなのかな」 「え?どうなのかなってどういう意味?」 「新しい人、、、いるのかな」 「あ〜、、そういうことね」 「もし、もしだよ。いたら、、、僕、会ってもいいのかな」 もし、彼女に新しい彼がいたとして、僕は会ってもいいのかな。 もう、僕とは会いたくないんじゃないか。 そういう気持ちがある。 でも、本当は、違う。 傷つきたくない。 僕はまだ、彼女のことが好きだ。 忘れられない。 でも彼女には新しい人がいて、僕とのときより幸せにしていたとして。 僕は、どんな顔をして彼女に会えばいいんだろう。 彼女には、幸せでいてほしい。 好きだからこそ、幸せでいてほしいし、幸せになってほしい。 でも、それは素直に喜べないかもしれない。 いや、素直に喜べない。 悔しい。 嫌だ。 僕が、彼女の隣りにいたかった。 まだ好きなのに。 大好きなのに。 そう、思いたくなかった。 その現状を知った時、そう思い、傷つきたくなかった。 そう思っていると、 「会えば?」 蒼は、"普通に会えばいいじゃん"みたいな感じで軽く言ってきた。 そんな簡単に、、、
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!