26人が本棚に入れています
本棚に追加
「え?」
「会えばいいじゃん」
「でも、あの、それを知った時、僕どんな顔すればいいの?
素直に喜べないよ」
「知るもなんも、会ってみなかきゃ分かんねーじゃん」
「まっ、、そう、、、、だけど」
そうだよ。
会ってみなかきゃ分からない。
だから怖い。
会った時、それを知るのが怖い。
大好きな人に会えた時、その嬉しさをあの感情が上回るのが怖い。
大好きな人のことで、傷つくことが怖い。
「んなの、幸せにって言やいーじゃん。好きな人には幸せになって欲しい、隣にいんのが自分じゃなくても、幸せになって欲しい。春だって内心そう思ってんじゃねーの?そん時に傷ついても、そう言ってあげられんのがいい男なんじゃねーの?って俺が、勝手にそう思ってるだけだけどね」
「、、、っ」
そう、、だよな。
蒼の言う通り、彼女には幸せになって欲しいって思ってるよ。
本当は、隣りにいたい。
でも、もう居れないかもしれない。
それでも、好きだから、大好きだから、、、、
幸せになって欲しい____
「ま、どうするも春が決めることだけどな」
「蒼、ありがとう」
「え?なにが?」
「頑張るよ」
「はは笑。頑張れよ」
「うん」
蒼は、それ以上何も言ってこなかった。
そこが蒼のいいところだ。
無理に人の傷に、入り込もうとしない。
その人が欲しい言葉をくれる。
あえて、背中を押すことも、否定することもしない。
心から、いいやつだなって思ってるよ。
「じゃ、乾杯する?」
「何に笑」
「ん?春の意気地なし卒業に」
「は〜?笑 意気地なしじゃないし!」
「まぁまぁ、では、カンパ〜イ!」
「乾杯」
カチャンッとビールチョッキの当たる音が、二人の間に響く。
うまっ
よく冷えたビールが、今までの不安を流すように喉を通った。
「飲み過ぎんなよ」
「分かってるよ笑」
最初のコメントを投稿しよう!