"私"の方だ

2/2
前へ
/35ページ
次へ
プイーーーーー!!!! その瞬間だった。 車のクラクションと、強い光が自分に当たっているのが感じた。 ようやく、今自分が立っている場所に気づく。 横断歩道だ。 ここは、信号がない。 ちゃんと周りを見ていなかった。 すべてがスローモーションのように見える。 なのに、体は全然動かなくて。 その数秒後、今まで感じたことのないような強い衝撃と、体のいたるところの熱さを感じた。 誰かが叫んでいる声が聞こえる。 でも、何を言っているのか分からない。 視界がぼやけてよく見えない。 だけど一つだけ、私は轢かれたんだ。 それだけは分かった。 ああ、、、私、死ぬのかな。 まだ、仲直りできてないのに。 ごめんねって言えてないのに、、、 「、、、、ごめん、、ね、、、、春、、、」 その言葉が漏れた時、視界が暗くなり意識が途切れた。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加