もしかしたら

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もしかしたら

『○○駅、○○駅』 アナウンスが流れ、電車の扉が開く。 明るい光が差し込み、一斉に外へ向かう人達。 僕もその、光が差し込む方へと足を進める。 前も後ろも右も左も人がいて、よく前が見えない。 初めてこの状況を体験したときは、どうしたらいいかわからずパニックになったけど、これを2年も経験していればもう「いつものこと」と流せるぐらいになった。 電車から降りても、やはり周りは人混みだ。 まだよく前が見えないし、アナウンスの音もよく聞こえない。 "早くこの人混みから抜けよう"普通ならそう思うんだろう。 でも僕は、いつからかそう思えなくなっていた。 "もしかしたら、この人混みの中に彼女がいるかもしれない" そう思うようになっていた。 きっと、あの日から____
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