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扉を開けた。
Tシャツにジーンズを着たりやがいた。
朝からかわいい。
食べたいくらい。
「ごめん、まだ着替え途中だったかな」
とか言って、一旦仕事部屋に引っ込む。
「はー、可愛い………」
「そんな悶えないでください、見てるこっちが照れますよ」
莉凰が呆れている。
「わざわざ隠れなくてもいいんじゃないですか」
と莉凰が言う。
扉の向こうからは「若~?」「旦那さま…?」という声が聞こえる。
「旦那さま、もう着替え終わったよ…?」
とりやが不思議そうに言うので、もう一度出てきてみる。
可愛い。
「旦那さま!」
りやが駆け寄ってくる。
可愛い。
「りや、似合ってるよ。可愛い」
そう言うと、りやが照れたように笑った。
それもまた可愛い。
「そうだ、りや、まだおはようのちゅーしてなかったね」
と言うと、気を利かせて(?)莉凰と七瀬が部屋から出ていった。
「おいで」
両手を広げて言うと、りやがぎゅっと飛び込んでくる。
りやがわくわくした目で見上げてくる。
俺はりやの頬に触れ、顔を近づける。
そっと唇に触れた。
ゆっくり目を開けると、りやがきゅっと目を瞑っていた。
しばらくキスをしていたが、そのうち離すと、なんだか穏やかな雰囲気でいっぱいになった。
少しのんびりしてみる。
りやの頭を撫でると、りやは気持ちよさそうな顔をしていた。
小動物みたいだ。
俺とりやはお互いにぎゅっとして、笑いあった。
こんな幸せな朝は、はじめてだ。
「若。そろそろご飯が冷めますよ」
「はいはい」
莉凰と七瀬が急かすので、仕方なく部屋を出た。
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