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よかった。
プレゼント、受け取ってくれて。
喜んでくれて。
「さて、」
俺は言った。
「これからは、りやは、ここでいろんなことをするんだよ」
「いろんなこと?」
「うん。りやは高校に行っていないから、勉強、それから体も動かさなきゃね。いろんな本を読んで、芸術とかも、興味があることはなんでもやってみる」
「うん」
「指導は七瀬と、済嘉 佑海っていう若い奴がするから」
「うん!」
そう言って、済嘉を呼び入れた。
爽やかな男が入ってくる。
男は膝をつき、丁寧に頭を下げる。
「済嘉 佑海と申します」
りやはぺこりと頭を下げた。
「りやが勉強とかしてる間、俺たちは仕事に行ってくるよ。今日は仕事がないから離れにいるね」
「うん!」
りやが頷く。
「じゃあ済嘉、頼んだよ」
「はっ」
俺と莉凰は部屋を出た。
「あーーーー、かわいい」
小声で言った。
「はぁぁあぁぁ………無理……かわいい……」
「わかりましたって」
莉凰が呆れてる。
「だって見たか、渡したとき!あんな嬉しそうに…!」
「聞こえてますよ」
こんこんと戸を叩きながら済嘉が言った。
「だってぇ……………」
「ほら、早く行きますよ」
「え〜…………」
莉凰が俺を引っ張っていく。
「痛いってぇ……………」
「自分の足で歩かないからですよ」
「わかった、わかったって」
というわけで、俺たちは道場に向かった。
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