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「りや、今日はお披露目会があるから、着替えなきゃ。まずは湯浴みしておいで」
「はい、旦那さま」
お風呂に入る。
お風呂ってどこ?
「あ、そうだ、まだ屋敷内を案内してなかったんだったね」
そう言うと、旦 那さまは私をお風呂に連れてってくれた。
「ここで服を脱いで、シャワーを浴びたら、お湯に浸かって。湯冷めしないよう、ちゃんとあったまるんだよ」
「うん!」
旦那さまが脱衣場から出ていく。
どうやって体を洗うんだろう。
どれが頭を洗うもの?体はどれ?
どうしよう。
「じゃああたし、お風呂に入ってきますー!!」
やや高い声がして、ドアが開く。
女の人が立っていた。
「………!?!?」
「お、お嬢……!?大変失礼しました!!」
そう言って女の人はドアを閉めようとした。
「ま、待って!」
女の人を引き止める。
女の人は驚いているみたいだ。
そりゃそう、だって「お嬢」が裸で呼び止めているんだもんね。
「どうされました?」
「あ、あの…お、お風呂、一緒に入ろ…?」
「そんな、お嬢がゆっくり出来ないのでは…」
「え、えっと……違くて…どれで頭を洗ったらいいかわからなくて、それで、一緒に入ってほしくて…」
「お嬢がそう仰るなら…!」
というわけで、私たちは一緒にお風呂に入った。
「あたし、白水 七瀬です、16歳です」
「私はりや。私も16歳」
頭や体を洗って、湯に浸かりながら、私たちは自己紹介しあった。
「あたしは今日からりやお嬢さまの世話人になります、よろしくお願いします」
「よ、よろしくお願いします。世話人………?」
「はい。御用がありましたら何なりと」
世話人、と言われてもしっくりこないが。
「あ、おともだち……」
「おともだち?」
「おともだち、、なろ?」
「そんな!とんでもないです」
「………だめ?」
七瀬は驚いた顔をしつつも言った。
「いいえ、嬉しいです。ぜひ」
七瀬は笑った。
おともだち、が出来た。なんだか嬉しい。
そんな話をしていたら、なんだかほかほかしてきた。
くらくらする。熱い………
「お嬢、のぼせましたか…………?」
「ん…………」
七瀬が私の体を抱えて風呂を出た。体を拭いてもらい、髪を拭いてもらっているあたりでくらくらするのが収まってきた。
「ん、…もう大丈夫、ありがとう」
「いえ。すみません、長話をしてしまいましたね」
そう言うと、七瀬は私に肌着と、その上から白いドレスを着せた。それから七瀬自身も肌着を着たところで、がちゃっと音がした。
「「「あ」」」
旦那さま………
「あ、すまない…りやにドレスを着せようと思って……」
「きゃーーーーーーーーーーーー!!!!」
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