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宴がお開きになった。
私たちは部屋に戻って、パジャマに着替えた。
旦那さまもパジャマに着替えた。
さっきまでスーツ姿でかっこよかったのに、途端に「かっこいい」の雰囲気が変わる。
なんだか安心する感じで、それでいてさっきとは違うかっこよさ。
なんだかどきどきする。
ベッドに腰かける。
「りや」
旦那さまは呼んで、私を優しく抱きしめた。
なんだか心地よくて、力が抜ける。
「今日は楽しかった?」
「うん!」
「そっか、よかった」
旦那様の顔が一層柔らかくなる。
旦那さまの瞳は優しい。
心臓の音が聞こえてしまわないか心配だ。
旦那さまが、私の頭や背中を撫で撫でさする。
それが温かくて、私は旦那さまにもっとぎゅっとして、服を少し握る。
「りや、こっち向いて」
そう言われて、旦那さまにくっつけていた顔を旦那さまの方に向ける。
旦那さまの顔がゆっくり近づいてくる。
優しいキスをした。
体じゅうが熱くなる。
顔が真っ赤になるのがわかる。
「夫婦とはいえ、初対面でいきなり体を重ねるのは抵抗あるかもしれないから」
旦那さまが言葉を選びながら、ゆっくり言った。
「少しずつ慣れていきたいと思うんだ」
「うん」
私は頷いた。
「りや、これからは毎日、おはようとおやすみのときにちゅーしようね?」
「うん!」
ちょっと照れる。
旦那さまも少し恥ずかしそうに笑っている。
旦那さまが私を寝かせて、覆いかぶさってくる。
鼓動が大きくなる。
こんな感情を、私は知らない。
優しくもう一度キスをする。
旦那さまは私の手を優しく握った。
「おやすみ、りや」
旦那さまが微笑む。
「おやすみなさい、旦那さま」
私も微笑み返した。
こんなに温かい感情を、私は知らない。
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