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「俺はれっきとした人間です!」
?「え、何?ゴメン聞いていなかった。」
と、フランクに聞き返したのは容姿からは伺えしれない人ならざる者。
容姿はどう見ても金髪長髪の若々しい成人男性・・・だが、
「なんで!?結構重要なこと言ってたけど・・・なんで、聞いてなかったの!?」
対する俺はというと、普通の人。いや、普通ではないか。
既に今世にてわずか25歳で人生の終幕を終えた所謂死人・・・っていう奴か。今こそ働き盛りのそれこそ彼みたく若々しさ溢れる成人男性、だった人だ。
理由は分からないが、気づいたときには例の人ならざる者がいる空も壁も何も見当たらないただただ見渡す限り真っ白な不思議な空間にいた。
そして、どうやらここは死者が来るところでもないと聞く。
人ならざる者ーそれはつまるところの神様っていう奴らしいのだが、いまいち整理がつかないでいた。
神様の彼曰く、ここは神々が住まう世界とかいうやつらしい。
そんなわけでつい今しがたまで俺のことを神様かなんかだと思っていたとかなんとか話して・・・
?「いや結構、さっきのは嘘。あまりにも理解できない話だったので聞き返しただけだ。」
「こっちからしたら未だに理解しきれていないことばかりなんですけど!?」
?「で、何の話だっけ・・・えっと、神谷亘君」
「いやあの、話を聞いていたんじゃなかったの!?あぁ、えぇ・・・なんてお呼びしたらいいの?神様?あぁ、もしかして名前とかある?」
?「失礼な、私にはゼウスという名があってですね?こう見えて威厳ある全知全能の神です。」
「・・・あぁそうなの。」
ゼウス「ったく近頃の若者は礼儀を知らん、少しは神というものを敬え。」
「急にフランクに話しかけたのはそっちでしょう?」
ゼウス「そりゃ、まぁ同業者だと思ったから。」
「同業者って・・・神様って意味?」
ゼウス「本来死者はここには来ることはないからね。」
「でもほら、異世界転生とかってあるじゃん?そういう感じかなって思ったんだけど・・・」
ゼウス「異世界転生、そうか。まぁそんな簡単な話ならさぞかしこの件はすぐに終わることになっただろうなぁ・・・
だが生憎そう簡単な話では済まなくなった、今しがたアンタの人生録を読んでみたが死後即神に転生したとある。
転生は転生でも転生先は神、やはりアンタは神だわ。」
「んなバカな、俺があっちにいたころの記憶はある。俺は人間だ!
名前だって、」
ゼウス「そうなんだよな、そこがおかしいんだよ。
一体どんな神に転生したのか私ですら把握できなかった。
把握する前にここに来ていたんだからな?
さてどんな神に転生したのか・・・死者だから死神か、はて。」
なんでこうなった?
確かに俺は死んだ・・・と思う。
不運な交通事故だった。
土砂降りの大雨夜の中、超高速で走り去る車を横目に自転車で会社から帰る途中の一瞬の出来事。
その瞬間の記憶は確かに俺にある。
あれでまだ生きていて、現在変な人に拉致監禁されている状態でないのなら・・・多分この人?この神?の言う通り、なんだろう。
なんだろうけども、うーん。
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