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「ゆ、結城くん?」
「ちょっとだけ一緒に来てくれますか?」
「え?
でも、まだ作業が…」
「絢芽さん、行ってきて大丈夫ですよ?
くす玉ももう完成しますから」
「でも、他にも作業が…」
「大丈夫ですから、行ってきてくださいね?」
「すぐ戻りますね」
絢芽は申し訳無さそうにそう告げると、理に連れて行かれてしまった。
「あれ、告白するよね?」
「ふふっ
月海ったら興味津々」
「美南だって気になるでしょ?」
「二人の問題だから、邪魔しちゃダメよ」
「それもそっか」
月海はそう告げると、また書類に目を通してから会長印を一枚ずつ丁寧に押していた。
その頃、絢芽は何故か図書室に連れて来られていた。
「結城くん、何かな?」
「…桐生先輩、彼氏とか居るんですか?」
「?」
「居ますか?」
「いえ?
居ませんけれど、それが何?」
「そうですか…
良かった」
「へ?」
絢芽が意味不明だと言った顔で見ていると、理はフッと微笑む。
「桐生先輩、俺…」
「…結城くん、ごめんなさい」
「へ?」
理が拍子抜けした顔をしていると、絢芽は腰の辺りにギュッと抱きついていた。
「…桐生…先輩?」
「…結城くん、好きな子居るんですか?」
「桐生先輩、これは何かの罰ゲーム的な奴ですか?」
「え?」
「勘違いしそうなんですけど?」
「…勘違いじゃありません」
「つまりは?」
「結城くんが気になるんです」
「…俺も気になってますよ?」
「本当ですか?」
絢芽は身を剥がしてそう聞き返すと、理はニッコリ微笑むとそっとオデコにキスしてくる。
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