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「…翔人くんはお兄ちゃんみたいな感じだよ?
だから対象には見てなかったよ」
「ふぅん?
やっぱりか…
でも、少しは考えてくれるよね?」
「ごめんなさい。
私、好きな人居るから翔人くんとは付き合えない」
美南がハッキリとそう告げると、翔人は分かっていたのか溜息だけ吐いた。
「知ってるよ?
春翔だろ」
「…知ってるなら、何で告白するかな?
兄貴」
「は、春翔?!」
「美南ちゃん、やっと見つけた」
「な、何で?
月海は?!」
「お化け屋敷の近くのベンチに待ってもらってる」
「1人で?!
危ないじゃない」
美南は立ち上がると行こうとするのだから、春翔は首を捻ると止めた。
「何?」
「美南ちゃんの気持ち聞いてからね?」
「何でそうなったの?!」
「だって、美南ちゃんが俺好きみたいな事が聞こえたからね?
気になるじゃん?」
「おバカ」
「で?
美南ちゃん、俺が好きなの?」
「そうだったら、何か悪いの?」
美南はムッとした顔でそう返すと、春翔はクスッと笑ってこう告げた。
「悪くないね?
俺も好きだし」
「へ?」
「美南、気付いてなかったの?」
「し、知らん」
「ふぅん?
それは知る必要があるね」
「何よ、その企んでる顔は?!」
「やっと美南を独占出来ると思うと愉しみって顔だけど?」
「ふんっ
誰が独占していいって言ったのよ?」
美南がプイッと機嫌を悪くしていると、春翔はギュッと勝手に抱きついた。
「フッ
ツンデレも可愛いだけだな」
「もう、何抱きついて!
何処触ってんの!」
「美南のお尻」
「ダメ!」
美南はペシッと手を叩くと、春翔は残念そうな顔をしていた。
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