★2

6/15
26人が本棚に入れています
本棚に追加
/210ページ
「アリスのご要望のショートケーキ持ってきたからね? お昼は一緒に食べれる?」 「あ、でも… いつも美南ちゃん達と一緒だから」 「ふぅん? 今日は二人で食べない?」 「…夜空くんって強引ですね?」 「嫌?」 「…その顔で言われたら嫌って言えなくなりますよ? わざとやってませんか?」 「やってないけど? アリスがこの顔には弱いみたいだったから」 「人の弱みに浸け込むって奴ですよ、それ」 「そっか… 無理ならケーキは捨てる事になるな? 折角イチゴ増量してみたのにな」 「わかりました! ケーキに罪はありません」 「それなら、3階の階段下ね」 「へ? 階段下って何ですか?」 「階段下に部屋があるんだよ? 知らなかった?」 「知りませんけど? 鍵とか掛かってるんじゃ?」 「ダンボールの後ろにあるから、誰も気付かないかもね?」 「そうなんですね? 夜空くんは何で知ってるの?」 「フッ 実はダンボールを倒してしまったことがあってさ? それで見つけたんだ」 「なるほど? あっ! 授業行かないとだ」 「本借りるの?」 「あ、はい?」 「なら、印鑑押すから来て」 「夜空くん、図書委員なんですか?」 「うん? それも知らなかったんだ? まあ地味だから気にも止まらないか」 「そ、それは…」 「まあ、仕方ないか? いつも囲まれてるしな」 「…夜空くん、何だかずっと見てたみたいな言い方ですね?」 「うん? そりゃ見ちゃうでしょ?」 「な、何故でしょうか?」 「他の男子や女子と同じだよ? 奇麗だし目を引くからな」 「そうなんですか?」 月海はいまいち良く分かっていないが、夏向は真顔になるとこう告げる。
/210ページ

最初のコメントを投稿しよう!