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「大丈夫か、夜空くん?!」 「うん、眼鏡割れたけど何とか…」 「怪我ない?」 「ちょっと手首捻ったっぽいな… 保健室行ってくる」 「付き添うよ」 結月はそう告げると、夏向に付き添う感じで体育館を出ていくので春翔は首を傾げていた。 「先生呼び出しみたいだな? 大丈夫か、夜空くん?」 「どうしてそんなに俺に構うのか聞いていい?」 「…夜空くんってさ? 月海と昔会ってるでしょ?」 「…何故そう思う?」 「秘密主義な所は変わってないじゃん? 顔隠してるのは理由があるんだろ」 「まあ、大した理由じゃないよ? 只の予防対策」 「地味だったら女の子避けにはなるか」 「結月くんはモデルさんだったね? モテモテで大変そうだ」 「つーか、眼鏡割れてるしちょっと切れてるよ?」 「あ、本当だな? 救急箱は…」 「ほら、座って? やってやるから」 結月は夏向を椅子に座らせると、頬の傷を消毒して絆創膏を貼った。 「手首はどっちすか?」 「左手」 「もしかして、イジメに遭ってません?」 手首に湿布を貼って包帯を巻きながら結月がそんな風に聞くと、夏向はフッと笑う。 「イジメではないけど、あまり好感は持てない容姿だからね?」 「そうすか? 気をつけてくださいよ?」 「まあ、もしも… 君のお姉さんに奴らが何かしだすなら考えないといけないかな」 「…怖いからな、夏向くん怒らせると」 「結月くん、月海にはまだ黙っててよ?」 「仕方ないですね?」 「にしてもやらかしたな… 手は商売道具なんだけどな」 「例のチョコレート屋さんか」 「知ってたんだね?」 夏向がそんな風に尋ねると、結月はこんな提案をしてくる。
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