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「大丈夫だから、落ち着いて? とりあえず部屋入るよ」 「え?」 月海は気付いていなかったが、ダンボールが光を遮断していたので暗いのだと気づく。 「ほら、入ろう?」 「あ、うん?」 階段下の謎の部屋に入ると、ソファーやテーブルが普通にありビックリだ。 「夜空くん、あの…」 「ん?」 「怪我は大丈夫?」 「あぁ、大丈夫だよ?」 「手首はお菓子作れないんじゃないの?」 「うーん? 確かにちょっとヘマしちゃったな」 「ふふっ 夜空くん、何か愉しそうだね? 何で?」 「結月くんが手伝いを申し出てくれてね? だから大丈夫」 「結月が?」 「自分のせいで俺が怪我したって思ってるみたい」 「そっか、それで」 「アリスも来る?」 「へ?」 「俺の家」 「手伝いをだよね?」 「あれ? 俺、アリスを口説くって言わなかった?」 「…! 俺のものってそう言った意味だったの?!」    「当たり前でしょ? 何だと思ってたの?」 「てっきり冗談かと…」 「全く困ったアリスちゃんだな」 夏向はそう告げると、鞄からサンドイッチを取り出すと食べていた。 「…手作りですか?」 「うん? これでも料理は得意なんだ」 「私もです」 「それはお弁当?」 「結月にも朝手渡してます」 「いいな、手作り弁当」 「えっと、なら… 食べてみます?」 「いいの? なら、サンドイッチと交換ね」 「いいの?」 「アリスの手作り食べたいし、食後にはショートケーキあるよ」 「…交換しましょう!」 「フッ 甘いの本当好きなんだな」 夏向と月海がそんな風に交換している頃、美南はムッと隣を睨んでいた。
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