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「美南、何かな?」 「春翔! それ、私のお弁当!」 「美南には購買の限定メロンパンとタマゴサンドあげたじゃん? 何で怒ったの?」 「もう、勝手なんだから」 美南はそう告げると、タマゴサンドをパクっと食べては目をパチクリさせていた。 「美味しいでしょ?」 「う、うん」 「フッ 卵付いてるけど?」 春翔は口元をそっと触ると、拭ってくるので美南も真っ赤になる。 「美南、可愛いんだけど? ギュッてしていい?」 「やだ」 「何で?!」 「結月くん達居るし?」 「あっ…」 「すいません? 邪魔なら退散するんで」 「俺も退散します」 結月に続いてそう言ったのは、結城 理で絢芽が休みなので一緒に屋上に来ていたのだ。 「それより、月海は何処行ったの? 用事とかない筈でしょ?」 「美南ちゃんは詮索好きですね?」 「だって、いつも一緒なのに寂しいでしょ?」 美南が何となく落ち込んでいると、春翔がポンポン頭を撫でてくる。 「なぁ、結月?」 「何かな、春翔?」 「夜空と知り合い?」 「どうしてそう思ったの?」 「体育の時親しそうな感じだったからだけど?」 「ふぅん? 目敏いな、春翔は」 「何なの? 二人して?!」 「夏向くんとは小さい頃良く遊んでたんだよ? 勿論、月海姉さんもね」 「なるほど。 月海ちゃんは覚えてないんだな」 春翔と結月が二人でそんな会話をしているのだから、美南もチンプンカンプンだ。 「夜空くんとは幼馴染みって意味?」 「まあ、そうなるかな? 夏向くんご両親の転勤で転校しちゃったからね」 「なるほど! じゃあ、月海が好きなのね?」 美南がそんな風に聞くと、春翔は隣から腕を肩に置いて邪魔しだす。
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