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「ん! 美味しい!」 「ほら、どんどん食べて?」 「…夜空くんは食べないの?」 「食べ飽きてるからね?」 「あ、そうだよね? 作るから試食もしないとだもんね」 「うん? まあ、食べないとわからないからね」 夏向がそんな風に説明していると、月海はもう一口食べさせて貰うなりこう言った。 「夜空くん、良かったら試食の役目やっても良いですか?」 「フッ そんなに甘いの食べたいんだ?」 「うっ… だって、食べ飽きたとか言うから」 「まあ、いっか? なら、アリスは試食係ね」 「良いんですか?」 「食い気味だったよね?」 「お店って不定期でしたよね?」 「うん? まあ、店は姉貴のだけどね」 「お姉さん居るんですか?」 「うん? 俺がケーキとチョコレート作って姉貴は紅茶や珈琲を作ってるんだ」 「食べるの可なんですね?」 「うん? プチ喫茶みたいな感じ」 「お姉さん居るのなら、試食係要らないのでは?」 「…姉貴は甘いの苦手だから」 「へ?! それは勿体ないですね」 「だから、珈琲とか作ってんだよ?」 「大人な味が好みって事ですね?」 「そうだね? ケーキも大人味なのしか食べないよ」 「でも、これだけ美味しいから食べて欲しいですね?」 「アリスが食べてくれれば、嬉しいけど? 美味しそうに食べてくれてるし」 「…! そんな風に言われたら照れるんですけども」 「さて、そろそろ夏祭りの準備に行かないとね?」 「あっ! そうでした」 「アリスと二人でここでラブラブするって手もあるけどね?」 「な、何言って…」 月海が真っ赤になって戸惑った顔をしていると、夏向はフッと微笑むと口元を拭ってくる。
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