☆3

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「今日も美味い」 「ふふっ なら、良かった」 月海は嬉しそうに笑っていたが、結月はこんな風に聞いてくる。 「月海姉さんの初恋って小5の時だったよね?」 「うっ?! な、何急に?」 「嫌? 確かそうだったなって… 確認しただけだよ?」 「ビックリするから、やめよう?」 「月海姉さん、また彼に会いたい?」 「え? でも、名前とかも覚えてないんだよ?」 「そうなの? じゃあ、見た目は覚えてる?」 「見た目は… んーと、イケメンだったような… 嫌違う…地味な…」 「何でそんなにあやふや?」 「わからないけど、顔に靄がかかってる感じ」 「ふぅん? なるほどねー まあ、何れは思い出すでしょ?」 「結月、珍しいね?」 「何が?」 「昔の話とかを蒸し返すの嫌いじゃなかった?」 「うん、確かに嫌いだけど… 月海姉さんの初恋は大事な思い出じゃない?」 「…私、何で覚えてないのかな」 「何か元凶があるのかもね? 例えば、相手が傷つく事をしちゃったとかさ」 「…んー ダメ、思い出せない」 「フッ 月海姉さん、悩み顔まで可愛いな」 「うぅ… 私、思い出したい」 「無理しないで? 何かのきっかけで思い出す事もあるさ」 「そうよね? ハッと思い出す時あるものね」 「うん? 今は夜空くん助けてあげる事だけに専念しよう」 「ちゃんとお手伝い出来ると良いけどね?」 「大丈夫でしょ? 補助みたいな感じになるだろうからね」 「結月も手伝うんだよね?」 「夏向くんが指示する事を手伝うだけだよ? 手首痛めてるしね」 「ご飯とか作れるのかな?」 「月海姉さんが作ってあげればいいじゃん?」 「え?! 私が作るの?」 「手伝う序に夕飯とか作ってあげればいいじゃん?」 結月がそんな提案をすると、月海は真っ赤になって困り顔になる。
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