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「とりあえず、デートはしてくださいね?
俺は本気で付き合う気で居ますから」
「…わ、わかりました。
でもまだ試用期間ですから、恋人っぽいことは無理ですからね?」
「…先輩、やっぱり意地悪だな」
理はムスッと拗ねていたが、絢芽はまた困った顔を繰り出すのだから条件を飲むのだった。
それから、生徒会の作業が終了して理も混じえた5人で遊園地へと向かうことになった。
「わぁー
美南ちゃん、観覧車大っきいね?」
「ふふっ
月海ったら可愛いってば!」
美南はそう言っては月海の腕に抱きついていたが、春翔が邪魔してくる。
「月海さん、お化け屋敷行ってみませんか?」
「え?
春翔くん、みんなで…わっ?!」
月海がビックリしたのは無理もなかった。
春翔が手を引いて走り出してしまったからだ。
「あ!
月海!」
「ふふっ
春翔くんは仕方ありませんね、美南さん」
「もう!
月海と周りたいのに!」
美南はそう告げると、お化け屋敷の前まで向かったが苦手分野なのだから入るのが躊躇われた。
「うぬぬ…
出口付近で待つしかないわね」
美南は仕方がないので飲み物を買ってから、お化け屋敷の出口付近で座って待っていた。
「美南ちゃん?」
「え?」
「何してるの?」
「あ、月海達が出てくるの待ってるんだけど…
翔人くんは何してるの?」
「ふふっ
クレープ屋さんです」
「あ、なるほど?」
「暇なら食べない?」
「あ、でも…」
「ほら、奢るし」
そう告げてニッコリ微笑むのは、美南の幼馴染みの須藤 翔人だ。
「翔人くん、ちょっと…」
「ほら、座っててね?」
「…うぅ」
美南がちょっと強引な翔人に戸惑っている頃、月海は気味の悪いお化け屋敷内で不安げな顔をしていた。
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