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「離縁してください。旦那様」
今日も私の旦那様、フレデリック様は浮気相手とよろしくやっていた。
妻がいるお屋敷内でよく堂々と浮気相手とイチャイチャできるものだ。
「ははは。なんだ。リーゼ。新しいジョークか」
「いいえ。私は本気です」
結婚当初から旦那様は浮気相手のミレーヌをお屋敷に連れ込んで、私のことはそっちのけ。
ミレーヌと恋人関係でいたかったという理由で、貧乏男爵令嬢を形だけのお飾り妻にしたのだ。
「おかわいそうな奥様。奥様はあなたの愛が欲しかったのね」
「残念だが、リーゼ。俺が愛しているのはミレーヌだけなんだ」
「わたくしもフレデリック様だけを愛してるわ!」
浮気相手の一人、ミレーヌは旦那様から送られた宝石がついたネックレスを指で持ち上げて、私に見せつけた。
私は一度も旦那様からプレゼントをもらったことがない。
それをミレーヌは知っている。
「そうですか。私を愛してないと知って、むしろ安心しました」
旦那様は一度も私を愛してくれなかった。
それで、なぜ私が旦那様を好きでいると思えるのだろう。
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