4 お飾り妻の仕事

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 妻として、旦那様に目を覚ましてほしくて訴えた。  それでも旦那様は私を馬鹿にして、話を聞かない。 「だからなんだ。せっかく人気の仕立て屋にミレーヌのドレスを作らせようと連れてきたというのに!」 「フレデリック様。奥様は嫉妬して邪魔をしたいのよ」 「恐ろしい女だ。笑顔一つない可愛げのない妻より、いつも笑顔のミレーヌのほうがいいに決まっているだろう」  微笑むような出来事があれば、笑いもするだろうけど……  伯爵家に来て楽しいことなんて、なにひとつなかった。 「仕立て屋が来ている時は出入り禁止だ。余計なことをするなと言っただろうが!」 「お金がないなら、奥様と使用人の食事を減らしたら?」 「おお。ミレーヌは頭がいいな」    食費なんて、ミレーヌのために使うお金に比べたら微々たるものだった。 「旦那様、このままだと伯爵家は破産します」 「うるさい女だ」  私の言葉はまったく旦那様に届かず、ミレーヌの言葉だけを信じていた。  とうとう旦那様は帳簿すら見なくなった。  このままでは、旦那様と一緒に共倒れだ。  私の家の借金より、その額は大きくなるに決まってる。
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