5 妻は離縁を考える

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「へっ!?」  ケヴィンはアルウィン様の顔を見る。 「本当ですか!」 「もちろんだ。困っている国民を助けるのが、宰相の役目だからね」 「よく言うよ。さっきまで、金の取り立てを……」  ドフッーー突然、ケヴィンが横に吹き飛んだ。  なんだろう。  横殴りの強風でも吹いたのだろうか(屋内だけど)。 「リーゼ。離縁をよく決意したね。辛い生活をする君を見ていて、いつ別れるのだろうかと、心配していたんだよ」  さすが宰相様。  すでにアルウィン様は、私が離縁したいと思うことを予想していたようだ。 「良くお分かりになられましたね」 「鶏でもわかるよ」  つまり、旦那様は鶏以下。  美味しい卵を産むだけ、鶏のほうがいいし、偉いと思う。 「離縁を考えているなら、男と一緒にいるところを見られるとまずいだろう。商会の事務所を借りようか」 「え? 男?」 「俺だよ」 「宰相様ですよ」 「男だよ」  性別的には男だけど、我が国の宰相様だ。  確かにキラキラしているけど、それはまあ、カリスマ的オーラというか……   「お悩み相談箱くらいにしか思われてないんじゃないのか」
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