私のこと

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私のこと

宇野夕香は、就職して二年ほど経つ会社で、係長補佐として働いている。 数ヶ月前、係長である壱田幸介という男性と交際を始めた。 壱田は、ハンサムでスタイルが良く、身だしなみもきちんとしているしっかり者だ。 係長補佐の仕事に不慣れな夕香を助けてくれ、また夕香も壱田を支えてきた。 夕香は、本気で壱田のことが好きだった。 でも、壱田はそうではなかった。 彼は、自分の容姿と優しさに魅了され近寄ってくる女性のことを、モノのように思っていた。 少し関わっただけで一目惚れし、まとわりつく。 そんな女性たちのことを、ハエのように思っていた。 壱田が浮気をしていることに気づいた夕香は、彼の家に行った時に問い詰めた。 すると、壱田は夕香の見た目や性格をとことん悪く言い、暴力を振るって、家から追い出した。 メッセージアプリを開くと、目を覆いたくなるような悪口が書かれたメールが送られてきていた。 そこで駆け込んだのが、義兄・宇野作斗の家だ。 作斗は壱田以上に優しく、壱田とは違って人の気持ちや考えを尊重でき、本気で人を慰めることができる素晴らしい人間だった。 あんなに、壱田さんのこと好きだったのに。 もう、恋なんてしたくないのに。 兄ちゃんのこと、好きになっちゃった。
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