1人が本棚に入れています
本棚に追加
私のこと
宇野夕香は、就職して二年ほど経つ会社で、係長補佐として働いている。
数ヶ月前、係長である壱田幸介という男性と交際を始めた。
壱田は、ハンサムでスタイルが良く、身だしなみもきちんとしているしっかり者だ。
係長補佐の仕事に不慣れな夕香を助けてくれ、また夕香も壱田を支えてきた。
夕香は、本気で壱田のことが好きだった。
でも、壱田はそうではなかった。
彼は、自分の容姿と優しさに魅了され近寄ってくる女性のことを、モノのように思っていた。
少し関わっただけで一目惚れし、まとわりつく。
そんな女性たちのことを、ハエのように思っていた。
壱田が浮気をしていることに気づいた夕香は、彼の家に行った時に問い詰めた。
すると、壱田は夕香の見た目や性格をとことん悪く言い、暴力を振るって、家から追い出した。
メッセージアプリを開くと、目を覆いたくなるような悪口が書かれたメールが送られてきていた。
そこで駆け込んだのが、義兄・宇野作斗の家だ。
作斗は壱田以上に優しく、壱田とは違って人の気持ちや考えを尊重でき、本気で人を慰めることができる素晴らしい人間だった。
あんなに、壱田さんのこと好きだったのに。
もう、恋なんてしたくないのに。
兄ちゃんのこと、好きになっちゃった。
最初のコメントを投稿しよう!