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エディは少し照れくさそうに目をそらしながら、小さな声で同じ言葉を口にした。
「……演技では、ないんだ」
「それ、は……どういう……」
さすがにここまで言われたら、マリアも想像せずにはいられない。
しかし、まさかそんなはずはという思いもある。
マリアは耳まで赤面しながら、それでもエディから目を背けず、彼の言葉の続きを聞いた。
エディはふたたびマリアと目を合わせて、頬を赤く染めながら、落ち着いた口調で言った。
「マリア」
「……はい」
「俺は……」
次の瞬間、あまりにも不釣り合いな声が響きわたった。
「あーいたいた! マリア!」
クリフの声だ。
しかし、彼はエディの姿を目にして驚き、急に小声になった。
「……と、エディ?」
どうやらエディの姿がカーテンに隠れてクリフの視界に映らなかったようだった。
彼は気まずそうに、マリアとエディに視線を向ける。
エディは少々怒りが表情に出ていて、クリフはしまったという顔で苦笑いした。
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