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複雑な表情をするクリフの背後からサラがひょっこり現れる。
マリアはふたりに明るく声をかけた。
「クリフ、サラ」
「嫌がらせをされんだって? 大丈夫?」
サラが心配そうに駆け寄り、マリアは笑顔で返す。
「エディが助けてくれたわ」
ふたりが手を取り合って話している向こうで、クリフは申しわけなさそうにエディに声をかけた。
「もしかして今すっごい邪魔した?」
「邪魔だ!」
不機嫌な顔をするエディに向かってクリフはぺこぺこ頭を下げる。
「ごめん、ほんとごめん。今のはわざとじゃないんだ」
「お前はーっ」
エディは苛立ちの表情でクリフに詰め寄る。
そんな彼を見てクリフは焦りつつもにやけた。次こそはうまくやれよと余計な助言まで付け加えて、エディは半眼でクリフを見つめた。
一方マリアはサラと話しつつも、エディの様子が気になって仕方がなかった。
彼が先ほど言いかけたことは何だったのか。
なんとなく察している。
だからこそ、羞恥に頬が熱くなるのを抑えられなかった。
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