絶対成功する告白

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 私は昔から誰かに話しかけたりアクションを起こすのが大の苦手だった。友達もいない、誰かが話しかけてくれるのを待ち続けている。だからいつも一人だった。暗い私に話しかけてくれる人なんているわけもなく……。  やめよう、思い出すと寂しくなる。学校での思い出なんて良いことなんて一つもない。いじめられていたわけじゃないけど誰かと会話した記憶がない。昔はいじめって悪口言うとか、時には暴力とかあったらしいけど。今はそんなものない、みんなスマホをいじってる。仲良しグループっていうのもあるけど、みんな自分の話ばかりで聞いている方は退屈そうだ。聞いている最中なのにスマホをいじり始める人もいる。  誰もが他人に無関心なんだ、私は確かにそこにいるのにまるでいないかのような扱い。辛くて学校に行くのも嫌々だった。  でもあの子は私に笑いかけてくれた。私の目を見てくれた。人の目を見るのはすごく苦手で私は咄嗟にそらしてしまったけど、別の日に勇気を出してそっと見てみるとやっぱり私に目を向けてくれている。どうしよう、変な印象持ってほしくないからまた目をそらしたらダメだ。  なんとか笑わないと、笑ったのっていつ以来だっけ。どうやって笑うんだっけ。そう思いながら無理やり口角をあげてみる。すると、彼女は笑ってくれた。ちょっと困ったような感じだったけど、確かに私に笑いかけてくれた。誰も気にしない、見向きもしない私に。私を見てくれている人がいるんだってわかって嬉しかった。  少女漫画に出てくる恋をするヒロインはなんて大げさなんだろうって思っていた。人を好きになったくらいでそんなに毎日ドキドキして、喜んで、不安になって、ぐるぐるずっと考え続けている。好きな人と仲の良い女の子がいて、勝手に変な想像して苦しんでる。直接聞いてみればいいのにと思っていた。 「その子のことが好きなの?」  でもいざ自分に好きな人ができるとあのヒロインたちは何も間違ってなかったんだなって痛感する。聞けるわけない、それを聞いて「そうだよ」なんて返事をされたら立ち直れないから
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