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智子は作家を目指しており、今から3年前、小説の新人賞の応募先を探していたところ、偶然文栄社の存在を知った。文栄社はすでに50回以上新人賞を主催している老舗の出版社で、賞自体も知名度が高かったため応募を決めた。
しかし、知名度が高いということは倍率が高いことの裏返しでもあり、智子の作品はあっさりと一時落ちしてしまった。落選直後はひどく落ち込み、二度と応募すまいと思っていたのが、道を閉ざしてはいけないと思い直し、昨年2度目の応募をした。
結果、一次は通過したものの二次で落選。予想していたので1回目ほどは落ち込まず、来年また頑張ろうと考えていた。
そして三度目の挑戦となる今年。今度は最終選考まで残れたのだが結果はやはり落選。今度こそは、と期待しただけに落胆も一入だった。その出版社から郵便が届いたのだから、智子が動揺するのも無理もなかった。
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