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第三話
翌日。
「げ」
翌々日。
「うわ」
さらに次の日。
「あ……」
なぜか、4日連続であの無愛想運転手のバスにあたってしまった。
ネームプレートを確認して、彼の名字が「林田」だということがわかった。
進行方向むかって左側の先頭、車内で唯一運転席が見える位置に陣取る。
林田という運転手は、今日も今日とて仏頂面。下車する客には見向きもしない。
でも。どういうわけか、そんな態度の悪さに怒ってつっかかる人は一向に現れなかった。
いや、理由ならわかるかも。おそらく最初のわたしとおんなじ。彼の美貌に圧倒されて、文句を言うのも忘れちゃうんだ。ホント、顔がいいって得だよね……
毎日毎日、空気の悪いバスに揺られて登校。朝のささやかな休息時間は台無し。はあ。
今日も定期券を機械にかざしながら、彼の整いすぎた横顔を睨みつけた。
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