潮の香り

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そうしているうちにも、島はだんだん小さく遠くなっていった。 「帰ったら夜だね」 「そうね」 「店は明日からでいいかな」 「今日まではお休みにしましょう」 「帰りにラーメン食べたいな」 「そうね。しばらく食べてないものね」 「そのあと、コンビニに寄って、スイーツ買おうよ」 「そうね。島にコンビニはなかったものね」 「青木さん、また来てくれるかな」 「どうかしらね」 「依子に振られちゃったからなあ」 「あら、じゃあ、振らないほうがよかったの?」 「そんなわけないじゃない、依子ちゃんのいじわる」 私達の他愛の無いおしゃべりの間に、島はすっかり見えなくなっていた。
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