ヒーローへの片道切符

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 はやては苦笑しながら私の隣に座る。  私は「別に……」と視線を下に向けて返した。――ここ最近の私はそんなに辛気臭い顔をしてるのだろうか。 「はやての方こそ珍しいよね。なんか」  そう言いながら、はやてを見る。 「実は、遅刻しちゃって」  はやては困ったような顔をして答えた。  その答えは何ともはやてらしくない。 「何かあった?」  私の言葉に、はやては「どうだろう」と答えた。私はそれに誤魔化されることにする。 「サボっちゃって受験大丈夫なの?」  私は意地悪い顔をして、はやてに聞いた。 「そう言うかえでもどうなの?」  はやてに苦笑されて、私は「どうなんだろうねー」と返した。 「勉強は私なりに頑張ってるつもりだよ。はやては?」 「僕も僕なりに頑張ってるつもり」  はやては何故か申し訳なさそうに笑う。  なんとなく、私にはその顔は面白くなかった。  私は「知ってるよ」とはやての頬を軽くつねる。  はやてはつねられながら「ひょうかな?」って笑っていた。  私は「そうだよ」と唇を尖らせて、はやてを解放した。  解放されたはやては痛そうに頬を抑えている。
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