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私はそう言い切ると立ち上がる。
不服そうなはやてに「もうそろそろ授業が終わるんじゃない?」と声を掛けて誤魔化そうとした。
「なんか話をうやむやにしようとしてない?」
はやても立ち上がるけれど、表情は晴れない上に誤魔化されてない。
「疑り深くて女々しいぞ!」
思わず、私はそんな悪態をつく。
「まあ、僕もかえでのことを格好良いと思うからね」
「――へ?」
授業終了のチャイムが青空の下に響き渡った。
「行こう」
そう早歩きするはやては後ろ姿しか見えなかったけれど、耳が赤くなっていた気がする。
私もはやてを追うように教室へ戻ろうとした。
だけど、何処からか男子たちの悲鳴が聞こえてくる。いや、悲鳴かは怪しい。何かをうっかり落として壊してしそうになったときの声だった。
自然と私は足の向きを変えて声のした方へ向かい、屋上から飛び降りた。
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