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今、事情聴取が終わってマンションに帰ってきたところだ。
待っていたのか入口にいて、私の元へ駆け寄ってくる。
「かえで!」
「――さすがはヒーローの娘とか言ったら怒るからね」
はやては静かにポケットから青い紙を取り出した。
それは全体的にクシャクシャになっているけど、ハッキリとした折り跡もある。そこを折り直せば紙飛行機になりそうな……。
「かえでは知らないと思うけど、かえでは僕の憧れなんだ」
そんなことを言いながら、その青紙を私に差し出す。
「いつか、ちゃんと肩を並べたいって思ってる」
「言ってる意味が、わからないんだけど」
私は青紙を避けるように身体の向きを変えた。
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