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はやてはめげずに私の背中に語り掛ける。
「かえではかえで自身がどんなに嫌がっても自然とヒーローになっちゃう人なんだよ」
「そういう風に勝手に私を決めつけないでよ!」
はやての穏やかな語りを聞いていて、私は怒鳴ってしまった。
だけど、はやては動じる様子もない。
動じるどころか、かなり穏やかだ。
――いや、違う。変に自信に満ち溢れてる。
「何で、そう言い切れるの?」
私の声は震えている。何かに怖がっている。
「僕、かえでが誰かを見捨てたりする姿を思い浮かべられないよ」
はやては小さく笑って、そう答えた。
私は舌打ちをする。その言葉は私に送られたものだと認めたくなかった。
「買い被り過ぎ。私は、ただ強力な特殊能力を持ってるだけだよ。それで、ちょっとだけ誰かを救える確率が上がってるだけ」
「でも、その上がった確率を溝に捨てる真似をかえではしないって知ってる」
私ははやてを睨むように見る。
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