一章 暴れ龍兄弟爆誕

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◇◇◇ ツェグは、自分のゲルで恋女房から手当てを受けていた。 二つ下の妻は、夫が帰ってきて嬉しいやら怒っていいのか困惑していた。 夫以外皆、戦死したのである。 「あんたが帰ってきたのは、嬉しいけど、ここももうじき攻められるんでしょう?」 ササリが眉を八の字にして、赤子を抱き締めた。 「大丈夫だ。俺に考えがある。」 「考え?」 ツェグが口を開こうとした時に、赤子がぐずりだして泣き出してしまった。 ドゥルジは天才的な武術の腕があるとはいえ、まだ13歳な上に向こうは兵力がたくさんある。少人数では勝てるわけがない。 大巫女は、予知の目はないという。あのユルもその目を受けとれなかったとか。 ならば、この村は敵の手に渡るだろう。 長の家にある、宝玉を差し出せば俺達だけでも助かるかもしれない。
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