一章 暴れ龍兄弟爆誕

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バドゥは、前方に砂煙をあげてこちらに向かって来る一団を察知すると、手をあげて合図した。 「今だ!!」 バドゥ達10人の少年達は斜め方向、つまり岩山へと馬を走らせた。 空馬も、連られるように並走する。 「へへっ、馬だ。」 「馬がいるぞ。」 と、下卑た声が聞こえた。 バドゥはその一団を見た。 戦士と言うよりは、盗賊のような姿をしている。 鎧や兜という防具は一切着けておらず、着物に曲刀といった出で立ちである。 強者揃いの父親達が殺られたと聞いて、どんな屈強な戦士かと思っていたのだが、ならず者達の寄せ集めの集団かと思うと、腹が煮えくりかえった。 「あの、馬もいただこうぜ。」 と、舌舐めずりのような声が聞こえて、 「作戦通り」 と、バドゥは呟いた。 「ルドは、空馬を連れてトンカ村へ」 と、バドゥは指示を出しながら、岩山を駆けた。 岩山の付近は、所々に突起した岩がある。 そして、ここは訓練と称した少年達の遊び場でもあった。
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