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バドゥは、前方に砂煙をあげてこちらに向かって来る一団を察知すると、手をあげて合図した。
「今だ!!」
バドゥ達10人の少年達は斜め方向、つまり岩山へと馬を走らせた。
空馬も、連られるように並走する。
「へへっ、馬だ。」
「馬がいるぞ。」
と、下卑た声が聞こえた。
バドゥはその一団を見た。
戦士と言うよりは、盗賊のような姿をしている。
鎧や兜という防具は一切着けておらず、着物に曲刀といった出で立ちである。
強者揃いの父親達が殺られたと聞いて、どんな屈強な戦士かと思っていたのだが、ならず者達の寄せ集めの集団かと思うと、腹が煮えくりかえった。
「あの、馬もいただこうぜ。」
と、舌舐めずりのような声が聞こえて、
「作戦通り」
と、バドゥは呟いた。
「ルドは、空馬を連れてトンカ村へ」
と、バドゥは指示を出しながら、岩山を駆けた。
岩山の付近は、所々に突起した岩がある。
そして、ここは訓練と称した少年達の遊び場でもあった。
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