一章 暴れ龍兄弟爆誕

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ドゥルジは冷めた目で岩山を見下ろした。 眼下では、馬と人が折り重なるように、赤い鮮血をばらまいていた。 「うぐっ」 吐き気を堪えるようなサルヒの言葉にドゥルジは、我に返った。 死んだのは、前列の者達だけでまだあと80人はいる。 残りの一団は、警戒するように足を止め、岩山を睨めあげるように見上げた。 あの男がこの兵団のリーダーだろうか、とドゥルジは男を見下ろした。 歳の頃は30代くらいだろうか、痩せ型の筋肉質で、手入れをしていないだろう髪の毛はボザボサであり、それを一つに纏めてある。 顔に下卑た笑いを貼り付けている。 「よくもやってくれたなぁ、クソガキ共。」 ラドは、舐めまわすように岩山を見上げた。 (さて、この小さな岩山に何人潜んでいるのやら) ラドは、頂上にいる少年の胸元を見て、目を丸くした。 少年は、キラキラとした、とても高価そうな宝玉を首から下げていたのだ。 (なんだ、なんだ、あの玉は、欲しい!) 「タムは、40人連れてローの村へ行って、殲滅して来い。」 と、手下に命令した。 「はっ、頭目は?」 「俺は、今からクソガキ共を狩るのよ。あ、若い者女は残しておけよ。」 ふひひ、とラドは下卑た笑い声を出す。 「お楽しみようになぁ!!」
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