一章 暴れ龍兄弟爆誕

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「なんだ、こんなものか。」 とバドゥは、冷え冷えと呟いた。 いや、親父殿の仇はあと19人もいるから、これで終わりではないのか。 「追いかけるか。」 アルスランの声でバドゥは、我に返った。 敵の馬影はすでに見えなくなっている。 「いや、計画通りに岩山の奴を討つ。」 「わかった。…バドゥ、俺の母のことは誰にも言わないでくれ。特に妹には知られなくない。」 アルスランの顔が苦痛に歪んだ。 「わかった。誰にも言わない。」 バドゥは、頷いた。 (言えるものか。) まさか、奴等がここまで非道なことをしているとは思ってもみなかった。 (女の武人は、アルスランの母親と…長の妻…。)
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