一章 暴れ龍兄弟爆誕

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ズチャリ、とタムが血袋を放り投げると抜刀し駆けて来た。 ユルとユベクは剣を構えた。 「ユベク、後ろへ!!」 タムは、一足飛びでユベクの元へと剣を振りかざした。 ユベクは、難を逃れた。 「思い出したぞ」 血まみれのタムがニタリと笑いながら、ユルを見た。 「チュルモルの目だ。」 ユルは、一歩下がった。 「全てを視るというチュルモルの目だ!」 タムは、ニタニタと笑いながらユルに近づいた。 「その目を食べたら、未来が見えるという」 タムは、ユルの胸ぐらを掴んで宙へと浮かせた。 「そんな、ホラを信じてるんですか?」 ユルは、小馬鹿にしたように笑った。 「じゃないと、この状況はねぇだろうよ?なあ?お前が視て、視た通りに動いたんだろう?」 タルの目はギラギラしながら、ユルの青い目玉を見つめた。 「チュルモルの目は、どっちだ?右目か?左目か?」 ユルは、抵抗しようとした手を止めて、体の力をだらりと抜いた。 「それとも、両目を頂けばいいのか」 タルの首が下がった瞬間 ザシュッと音がして、ユルは血飛沫を浴びた。 目の前のタルの首もとに矢が刺さっていた。 「この餓鬼っっ」 デイがユルに向かって剣を上げ、ユルはお辞儀をするように頭を下げた。
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