一章 暴れ龍兄弟爆誕

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ドゥルジは、少年達を集めた。 年齢は14歳から8歳までだ。 ユルは、戦いに行くメンバーと村に残るメンバーを分けた。 ドゥルジが、なぜだ?と問うと、「被害を最小限にするため」と答えられて、次の言葉が出なかった。 ユルはオババの孫で、シャーマン見習いだ。 何か視えたのだろうと思ったのだ。 「ざっと35人か。」 その中には三つ年下の妹と同い年のジャンブールもいる。 ジャンブールは、この中で飛び抜けて体がでかい。良く日に灼けた肌に優しそうな褐色の瞳をしている。茶色の髪を頭の上で結びそこから三つ編みに結って垂らしている。 「本当にこのメンバーで戦えるの?」 と不安そうに言った。 ドゥルジはきっぱりと 「戦うしかない。」 ユルは、地面に木の枝で線を描いた。 川らしき線を描き、その下に丸を描いた。 その二つを結ぶように、縦線を描く。 「時間があまりないから、一回で覚えてください。」 ユルはそう言うと丸を枝で指した。 「ここが、村。」 そして、川の線を指して 「ここが、川で戦地です。奴等は多分真っ直ぐ南下してくるでしょう。この横に岩山があるのは知ってますよね。?」 子供達は頷いた。 「まずはここに、向かってください。」 14歳のバドゥが口をはさんだ。 「向かってくる方向より少しずれないか?。」 バドゥは、ひょろりとした細身の体型で髪を一つにくくり、ちょろりとした髪が垂れている。 「うん。だからこの前で馬を放って誘導させます。」 戦場を、岩場にするんですとユルは事も無げに言った。 「だが、向こうは300人いるんだろう?」 と、10歳のバヤルが眉を八の字にした。 「300人はいないと思います。」 と、はっきりとユルは言った。 「なぜ?そう言いきれる?」 ドゥルジの言葉にユルは、面々を見回した。 「忘れたのですか?僕たちの父親は武勇に名高いローの戦士ですよ。1人も殺さず死ぬなんてありえないでしょう?」
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