芽生え

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 違和感は当たり前だというものの、マンガやアニメは女の子向けのものを観たいけど見る事ができなかったり、雑誌は女の子のファッション誌が欲しかったけど言えなかったり、そんな風に自分を抑える事も増えてきた。  そういった事を我慢しなければいけない、我慢しているのが親にバレるのはよくないと感じていた。  学校での生活でいうと体育の時間やトイレなど、僕は男女の差に対しての我慢も増えてくる。  例えば、体操服に着替える時には、男女別の教室になるし、トイレだって男子用。まぁ小学生の時だから我慢の限界を越える事は無かったけど。  それとは別に保健体育の授業の時にはかなりの疑問を感じていた。  男の子と女の子の成長について。  男の子と女の子の性別、役割について。  どうして僕は胸が大きくならないの?  どうして僕にはアレがついてるんだろ?  生理は女の子だけなんだよね?  ていうか、なんで僕は男なの?  それらの疑問は単純すぎるけど複雑すぎて、訳がわからない。  手を挙げて先生に質問する訳にもいかず、僕の身体はこういう物なんだと無理矢理落ち着かせるしか方法はなかった。  だけど自分の意思とは関係なく身体は成長していく。
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