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2年生になっても性別の違和感の事はまだ誰にも相談出来てはなかった。
悩みは大きくなるばかりだったけど、部活も真剣に取り組み、学校でもそれなりに楽しく過ごしていた。
だけど、夏休みに入ろうという時期に事件が起こる。
なんと、以前に可愛いと言った事のある川田麻美が部活後を待って僕に告白をしてきた!
部活後の人気の少ない自転車置き場だった。
「1年生の時から気になってたの。陸上部で走ってる姿がカッコよくて。男子にも女子にも関わらず話せる姿も大人っぽくていいなぁって。それでさ……木村君の事、好きだなぁって」
僕は完全に混乱していた。
誰かを好きになった事がなかった。
僕はトランスジェンダーの事を知って以来、自分は女性なのかもしれないと思っていた。
恋愛対象は男の人になるのかな?そんな風に考えてもいたし、自分でもよくわかっていない。
申し訳なさで胸がいっぱいになって、何も答えられないでいる僕に川田さんは続けた。
「いきなりこんな事言っても驚くよね。ごめんね。とにかく夏休みの部活ない日とか、ちょっと会ったり出来たらなって思って」
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